「八ヶ岳（赤岳）」・登山紀行

『日本百名山・登山紀行』

　「八ヶ岳（赤岳）」①（美濃戸口）



　憧れ続けた冬の”赤岳”を目指して・・・。


　１９９９年１２月２８日（火）。

年内最後の仕事を終えて、午後８時過ぎに大阪を出発した。

思ったほど高速道路は混雑していない。今夜中に出来るだけ遠くまで走りたいが

、北アルプスとは違って八ヶ岳は比較的近距離なので、それほど無理することも

ない。

途中、恵那ＳＡで仮眠をとった。

　翌朝、夜明けと伴に再び走り出し、諏訪南ＩＣで高速を降りて、登山口となる

美濃戸へと向かう。

心配していた道路凍結だが、八ヶ岳美術館あたりの道路が少し凍っていただけで

、何とかチェーンをせずに美濃戸に到着することが出来た。

途中、”もみの湯”で準備を済ませていたので、登山口の駐車場に車を停めた後、

直ぐに登り始める事が出来る。

　美濃戸口の駐車場は良く整備されていて暖かい冬の陽が射し込んでいる。

一日、５００円の駐車料金を払った。ここから先、さらに車で美濃戸まで入れる

が凍結が心配なので、ここに車を停めて余分に１時間程、歩くことにする。

　登山口には臨時の登山補導所が設けられている。長野県警の山岳警察の隊員二

人が登山者からの登山届けを受け付けている。

　私は、赤岳の状況をしつこいぐらいに確認した。道の状況、危険な箇所の構造

や距離、そして、様々なエスケープルートやコースタイムだ。

この時点では、行者小屋から先のルートはまだ決め兼ねていた。

選択肢は、地蔵尾根か、文三郎尾根か、中岳山道のいずれかとなる。

　午前１０時１５分。

いよいよ、赤岳に向けて登りはじめた。天気は快晴だ。外気も然程寒さを感じな

い。登山客も年末にしては、まだ少ないようだ。

　美濃戸山荘までの林道を１時間程進む。

途中の道には、所々に雪が付いている、場所によっては凍結している場所もある。

四輪駆動のスタッドレスなら楽々登れるだろうが、私の車では少し苦しい。

　笹原の林道を足慣らしも兼ねてゆっくりと登っていく。正面には雪を被った阿

弥陀岳の岩稜が見え隠れしている。

　丁度、一時間で美濃戸に到着する事が出来た。山荘のベランダに荷物を置いて

ビールを味わった。正面には阿弥陀岳の山頂部が更に大きく見えている。

　行者小屋までは、後、３時間強だろうか、軽い昼食を済ませて、再び歩き出し

ていく。




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