「皇海山」・登山紀行

『日本百名山・登山紀行』

　「皇海山」①（プロローグ）



　２００１年、春のゴールデンウィークを前に山旅の予定を練る。

例年に比べ積雪が多い事が影響して対象の山はどうしても絞られてしまう。

　そんな状況の中で目標として浮かび上がってきた山が、比較的アプローチが容

易で残雪が少ない奥日光の山、「男体山」「奥白根山」「皇海山」の３候補だっ

た。

　出発は５月２日の夕方、仕事を終えてからである。

５月３日（木）に、ゴンドラが使えて最短ルートで登れる「奥白根山」の登頂。

５月４日（金）には、「男体山」の登頂。

そして、５月５日（土）には、アプローチの林道が心配な「皇海山」の登頂を

目指して大阪を出発した。

　しかし、奥日光までの道のりは遠い。

目的地は関越自動車道の沼田インタチェンジだ。

大阪から名神高速、中央高速、長野道、上信越道、関越自動車道を乗り継い

での、およそ６００ｋｍにも及ぶロングドライブになる。

　上信越道の対抗下り車線はすごい渋滞だ。東京方面から軽井沢方面に抜け

る車が長蛇の列を作っている。

　私たちも、関越自動車道に入ってから高崎ＩＣ付近で少し渋滞に巻き込ま

れた。目的の沼田ＩＣに到着したのは、予定よりも大幅に遅れて、午前１１時を

過ぎてしまっていた。

この時間からでは、たとえ最短ルートの奥白根山でも行程的に難しい。そして、

ゴンドラの下り最終、午後４時には到底間に合いそうになかった。

　しかたなく、急遽、予定を変更した。

今日、３日は利根村の”吹割の滝”を見たり、吹割温泉センターの”竜宮の湯”

という温泉に入ったりした後で、最終日に登頂予定の、「皇海山」の登山口まで

行く予定に変更した。
  
　午後３時。

”竜宮の湯”でロングドライブの疲れを十分に癒し、コンビニで今夜と、明朝、

そして、明日の昼食の買い出しをすませた。

後は、いっきに登山口を目指して、問題の荒れた”栗原川林道”を延々と登って

行くだけだった・・・。



                                    　　　      ～次へ～
『皇海山・登山紀行』
『日本百名山・登山紀行』
